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Kirsty MacColl 「There's A Guy Works Down The Chip Shop Swears He's Elvis」 |
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Artist : Kirsty MacColl Album : Desperate Character (1981) |
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Clock Goes Round See That Girl There's A Guy Works Down The Chip Shop Swears He's Elvis Teenager In Love Mexican Sofa Until The Night |
Falling For Faces Just One Look The Real Ripper Hard To Believe He Thinks I Still Care There's A Guy Works Down The Chip Shop Swears He's Elvis (country version) |
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イギリスに咲いた一輪の花。男性優位の英国社会においては稀有の女性シンガー・ソングライター、カースティ・マッコールが1981年に発表した、スティッフからメジャーのポリドールへ移籍後最初のヒット・シングル(全英第14位)。軽快なこの曲は理屈や予備知識なしに楽しめるでしょう。タイトルに出てくる「Elvis」という名前にもグッときますよね! 両親がフォーク・シンガーという家庭環境もあり、早くから音楽に興味を抱いていた彼女は、20歳の頃にスティッフ・レコードの社長、デイブ・ロビンソンにスカウトされソング・ライター、バック・ヴォーカリストとして活動した後、デビュー・シングル「They Don't Know」をリリース。後にトレイシー・ウルマンが取り上げ大ヒットを記録したこの曲は、60年代ガールズ・ポップ・クラシックにも通じる甘酸っぱい響きに、今も満ちています。他にも「Terry」をはじめ、多くの楽曲をトレイシーに提供しています。この「Terry」に至ってはバックのオケまで同じ。歌声も聴き分けがつかないほどそっくりです。 80年代の半ば以降の彼女はザ・スミス、ハッピー・マンデーズ、ザ・ローリング・ストーンズなど様々なアーティストの作品にシンガーとしてセッションをこなしていきます。そんな活動の中で彼女の名前と存在を印象付けたのは、夫スティーブ・リリーホワイトがプロデュースしたザ・ポーグスの「If I Should Fall From Grace With God(堕ちた天使)」に収録された「Fairytale of New York(ニューヨークの夢)」でしょう。ニューヨークに渡ったアイルランドからの移民の心情を、クリスマスの情景に重ねて歌ったこの曲は、ケルト系の民族の歴史や背景なども教えてくれる佳曲です。また近作では中南米音楽への興味も覗かせるなど成熟へと向っていたと言えるでしょう。 しかし2000年の12月18日、メキシコのカリブ海でバカンスを楽しんでいた彼女はモーターボートにはねられて亡くなっています。同年に発表されたアルバムのタイトルを「Tropical Brain Storm」とつけた彼女にとってはなんとも皮肉な結末となってしまいました。合掌。 関連サイト Kirsty MacColl Resource on "VH1.com" |