Lee Rocker & BIg Blue 「Atomic Boogie Hour」

Atomic Boogie Hour ジャケット

BLACK TOP RECORDS / CD BT-1121


  ビッグ・ブルー、第2ラウンド。まずはこれまでの概略。ストレイ・キャッツで何百万枚ものセールスを記録してきた、スタンドアップ・ベース奏者兼歌手のリー・ロッカーはビッグ・ブルーを結成して現在活動中である。この才能あるチームは名ギタリスト、マイク・エルドレッドとスター・ドラマー、ヘンリー・デラックスによって構成されている。彼らは2人とも、南カリフォルニアのブルース・サーキットのベテランである。3人はビッグ・ブルーと名乗り、1992年のニュー・イヤーズ・イブにカリフォルニアでのクラブ・パフォーマンスで驚くほどの成功をおさめた。そしてブルースをルーツに持つ歌手、ポール・ロジャースとアメリカ・ツアーに出た。

  彼らはバンド名を冠したデビュー・アルバムで成功をおさめた。そのアルバムにはメンフィス・ホーンズ、ピアニストのイアン・マクレガン、1994年に亡くなったエルヴィス・プレスリーのオリジナル・ギタリスト、伝説のスコッティー・ムーア等のゲストがフィーチュアされている。周囲に臆せず自分達のスタイルを貫くことで、弱まった音楽業界を刺激した。

  ギター・ワールド誌は「ビッグ・ブルーはサン・レコードのドーナツ盤を溶かしてしまうほど熱くハイブリッドで、火を吹くヒルビリー・ブルースだ。」と高く評価している。またワシントン・ポストは「いくつかのブルース・アルバムはこのアルバムのように活発である。」と評している。3度のアメリカ・ツアーとラジオ/テレビへの大量の露出の後、彼らは再びレコーディングに臨んだ。

  1995年5月21日から6月12日まで回されたテープの会話による。彼らはセカンド・アルバムのレコーディング場所として、テネシー州メンフィスからテキサス州オースティンに移った。ウイリー・ネルソンの農場とスタジオがあるペダーネールズにこもった。そこでビッグ・ブルーのオリジナルに磨きがかかった。「Take It Slow」、「Conguraturations」、「6th Street Blues」のように、オースティンのダウンタウンのレイブ・ナイトにインスパイアされたものもある。またハウリン・ウルフ「Rockin' Daddy」のビッグ・ブルー・ヴァージョン、「Call Me The Rocker」や「Beautiful Delilah」のように長い間親しんできた曲のカヴァーもある。チャック・ベリーの曲はストレイ・キャッツ時代にも演奏している。

  彼らの雑食性のあるサウンドにアクセントをつけるために、再びお気に入りのプレイヤーを呼び寄せた。R&B色濃い「Goin' Down Hard」、「Memphis Freeze」にメンフィス・ホーンズが参加している。オースティンで幅広く活躍しているキーボーディスト、ライリー・オズボーンがいくつかの曲でピアノとB3オルガンをプレイしている。

  レコーディングが完了し、彼らはイカした2ndアルバム「Atomic Boogie Hour」を世に放った。1950年代初頭にジミー・コロニーがホストを務めていたラジオ番組から名付けられた。コロニーはリトル・ジュニア・パーカー、ロスコ・ゴードンなどのブルース・レジェンドやエルヴィス・プレスリー、カール・パーキンス、ジェリー・リー・ルイスなどのロックン・ローラーを見出した、サン・レコードの創設者であるサム・フィリップスの義理の伯父にあたる。「このアルバムは、ブルースが初めてメインストリームになだれ込んだ時のショウのようなものだよ。」とエルドレッドは説明する。「そしてブルースと俺達の情熱を全ての聴衆に知らせるために、そのショウをビッグ・ブルーでやっていくつもりだ。」とロッカーが付け加える。みんな、用意はいいかい?



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