なおざりにしていませんか?コーラスワーク

  このサイトを見て下さっている皆さんの中にも、自分でバンドを組んで頑張っている方が大勢いると思います。楽器音と同じくらいに自分達の声によるコーラスも、バンドサウンドを構築する上で重要なポイントだと感じています。特にオールディーズ・バンドの場合、コーラスは不可欠な要素です。以前「Sixteen Candlesのコーラスは一番簡単だ。」と言った友人がいますが、これは明らかに彼の認識不足です。Doo-Wopはそんなに簡単にできるものじゃないし、ナメてかかると痛い目に会いますからね。

  「何はなくともコーラスができなきゃダメ」というわけではありません。「夜もヒッパレ」のようになんでもかんでもハモればいいというのでもありません。ただ、ここぞという時にコーラスがバッチリ決まるとほんとにカッコいいですよ。「コーラスは苦手だから・・・」、「他の人の音程につられるから・・・」、「音痴だから・・・」などの理由で避けているのであればそれはもったいないことです。これらは練習で必ず克服できます。楽器を一生懸命練習するようにコーラスも練習してみませんか?基礎は大切なのですが、和声学を勉強して毎回発声練習をやれ、なんて言いません。ロックンロールなんですから、カッこよければそれでOKですよ。それにコーラスの練習なら、わざわざスタジオとらなくても自宅とか街角とか河原でできるじゃないですか。経費節減!ちょっと違うか・・・。


  コーラスの基本となる2つの側面についてお話しましょう。


  1.他人の音程をよく聴く

  リード・ボーカルをやっている時は上手に歌えても、コーラスに回るととたんにダメになる人がいますが、これは他人のパートがよく聴けていないからでしょう。勿論、自分のパートをしっかり覚えることは大前提なのですが、他人のパートをよく聴いて、自分のパートはこの音程より上なのか下なのか、押すべきか引くべきか。微妙な匙加減でハーモニーがどのように変化するのかを試してみることをお勧めします。


  2.自分の音程をしっかりと保つ

  バランスが分かれば後は音程のキープです。様々な楽器の音が混ざり合うバンド・サウンドと同じように、自分の素材(パート)をその料理(楽曲)の中でどのように効果的に活かすかがアンサンブルの醍醐味と言えるでしょう。


  初期のザ・ビートルズはギターバンドであると同時に、コーラスグループでもあったと思っています。またそれが成功の鍵でもありました。1本のマイクに寄り添い「This Boy」を唄う姿といったら・・・!

  ザ・バーズのデヴィッド・クロスビー、バッファロー・スプリングフィールドのスティーブン・スティルス、ホリーズのグラハム・ナッシュが、ママス&パパスのキャス・エリオットの家で開かれたパーティーでたまたま同席した時、試しに3人で唄ってみたところ非常にうまくいったので、ニューグループCS&Nの結成に繋がった、などコーラスが取り持つ縁というものにも興味深いものがあります。

  なにやら押し付けがましい文章になってしまいましたが、「やってみよう」と思ってくださる方がいれば幸いです。


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